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続編:落雷サージで電源入らずのIC-7610のLAN端子を修理|チップ抵抗とICリフローの奮闘記

修理

落雷でダメージを受けたIC-7610。電源も入るようになり、送受信もOK…と思いきや、まさかのLAN端子だけ沈黙。ネット経由の時刻同期もできず、LEDも光らない。原因を追いかけていくと、チップ抵抗の異常値、そしてLAN ICの故障まで発覚。小さな部品と格闘しながら、最終的にLAN機能を復活させるまでの修理記録です。

Contents

  1. 落雷修理後の最終チェックで発覚したLAN不良
  2. LAN端子周りの回路を徹底追跡
  3. チップ抵抗の異常値を発見して交換
  4. それでも復活せず…LAN ICのリフローへ
  5. 初ヒートガン作業で地獄を見る
  6. IC交換後、ついにLAN復活!

1. 落雷修理後の最終チェックで発覚したLAN不良

以前修理した落雷被害のIC-7610。念のため全機能を細かくチェックしていたところ、どうしても動かない機能がひとつだけありました。 そう、LAN端子です。ネット経由で時刻同期する機能も動かず、背面のLANの動作を示すLEDも完全に沈黙。どうやら雷サージはLAN側からも侵入していたようです。

ネット経由の時刻調整は何度試しても失敗

2. LAN端子周りの回路を徹底追跡

回路図を見ながら信号の流れを追っていくと、LAN端子 → トランス(H1102FNL) → LAN IC(LAN8710AI)という構成。 電源ライン(H3R3V)には正常に3Vが供給されていて、ICもほんのり温かく動作しているっぽい様子。トランスも断線なし。 となると、もっと手前の部品が怪しい…。

3. チップ抵抗の異常値を発見して交換

LAN端子とトランスの間にはインピーダンス整合用の75Ωのチップ抵抗が4つ入っているのですが、測ってみると数値がバラバラ。 1つだけ75Ωで、残りは1kΩ、500kΩ、150Ωというカオス状態。表面的には正常に見えても雷サージで内部が壊れたのでしょうね。

黄色部分が損傷しているチップ抵抗。うち3個の抵抗値がおかしい

ということでチップ抵抗を交換。ただしサイズが 1mm × 0.5mm と極小。肉眼ではかなり無理がある大きさなので、拡大鏡を使いながら慎重に作業しました。拡大鏡は一応 ”光学製品” ということで、日本製のオーム電機のものを使っています。作業机に取り付けて使っているのですが、リング状のLED照明と長いアームのおかげで、細かい作業をする場合には必需品になっています。

本当はもっと倍率が高い実体顕微鏡が欲しいのだけれど、結構良いお値段なんですよねぇ。なので今回は作業性重視で少し大きめのチップ抵抗(1.6mm × 0.8mm)を採用。見た目は不揃いになるのですが、私にはこのサイズが限界っぽいです。

ちなみにチップ抵抗ですが、個々に購入しなくてもAmazonにセットでお安く売られているんですね。1,000円以下で1Ωから1MΩの主要な33種類が20個ずつセットになっているので、これひとつ買っておけば大抵の修理には使える優れものです。

4. それでも復活せず…LAN ICのリフローへ

抵抗交換後に動作チェックしたものの、LANは依然として無反応。 信号はトランスまで届いているので、残る可能性はLAN IC(LAN8710AI)の故障か?表面実装 ICのリフロー経験はなかったものの、この際なので試してみるか!ということでAmazonでヒートガンを購入してIC交換に挑戦することにしました。

5. 初ヒートガン作業で地獄を見る

購入したヒートガンは以下の通り。

ヒートガンは手持ちで使うので本体が小型・軽量のものを第一優先で選びました。それでも風量は10段階、温度も100〜500℃まで幅広く調整できるので大抵のシーンで使えます。Amazonのレビューの中には、米国の110V向けなので日本の100V電源だと電圧不足から熱量が足りない!という意見もあり心配していたのですが、今回のICは32ピンということで必要十分でした。もしかすると100ピンとかのICだと熱量が足りなくなるのかもしれません。

ただ、今回はちょっと横着をして耐熱テープで周囲のチップ部品を保護しなかったのが大失敗。 当たり前なんだけど、ICより先に周辺の極小チップ部品がハンダの融点に達してしまい、ちょっと触れただけでポロッ…プラス温風が当たっているので、どこかに飛んでいってしまう…。 再ハンダ付けはホント地獄のように大変で、パターンも剥がれかけるし、IC交換より回路修復の方が10倍も時間がかかってしまいました。トホホ・・・

IC交換は出来たものの、気が付くと黄丸部分のチップ抵抗が知らぬ間に飛んでいってしもた!!!

次回は絶対に耐熱テープを使います!ということで早速購入しときました。手間を惜しんでは駄目ですね!

6. IC交換後、ついにLAN復活!

ただしICのリフロー自体は意外と簡単で、ちゃんと部品が温まればピンセットでスッと外れます。 この日のためにハンダペーストも準備しておいたのですが、ICを外した後に残っているハンダ量で十分みたいで、使用しませんでした。新しいICの取付も多少の位置ズレはハンダの表面張力で勝手に整うので、思ったよりスムーズ。例えばチップ抵抗とかの交換でも、ハンダこてで作業するよりもはるかに簡単ですね。何でもっと早くヒートガンを買わなかったんだろう。。。

交換作業が終わったのでドキドキしながら動作チェック。 無事にLAN端子のLEDが点灯し、ネット経由の時刻同期も復活! これでようやく全機能が正常に動作するようになり、無事オーナーさんに返却できる状態になりましたよ。 全部で道具の調達から含めて2ヶ月以上かかりましたが、なんとか修理完了です。

ホッとしました!

※アマチュア無線の運用には、アマチュア無線技士の資格と免許状が必要です。電波法に則っての運用をお願いします。

※この修理記録はあくまで個人の備忘録です。分解や修理はリスクもあるので、本内容を参考にされる場合は、あくまでも自己責任でお願いします。

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