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ソニーダブルビデオデッキ、WV‑TW1の復活劇:テープ挿入不能→メカ修理→電源ドミノ故障の全記録

修理

ソニーの8mm/VHSダブルデッキ WV‑TW1 を修理したら、案の定 “ソニーあるある” のギア割れが両方で発生。 「まぁいつものやつでしょ」と考えていたら、まさかの電源部までドミノ倒しで故障するというフルコース展開に…。 古い家電の “ここを修理したら次はあっちが壊れる” あるあるを体験した、ちょっと笑える修理記録です。

Contents

  1. 修理対象:ソニーWV‑TW1の症状
  2. まずは8mm側の修理:ギア割れをワイヤーで補強
  3. 続いてVHS側:モーター軸ギアのヒビ割れ修理
  4. テープが吐き出される謎のエラーと「エレベーター」の位置ズレ
  5. まさかの第二ラウンド:電源が突然落ちて戻ってこない
  6. 電源部の分解と大型電解コンデンサの不良
  7. ツェナーダイオードも次々と故障
  8. フルコース修理完了!蘇るWV‑TW1

1. 修理対象:ソニーWV‑TW1の症状

今回の患者さんは ソニーの8mm/VHSダブルビデオデッキ WV‑TW1。 1995年製造で症状は「8mmもVHSもテープが入らない」という、ソニーの90年代デッキでよくある不具合。 外観はキレイなのにメカ機能が上手く動作しないという症状です。

今回はソニーのWV-TW1です

上フタを外した状態。左下が8mm部、右下がVHS部です。ちなみに左上が電源部です

2. まずは8mm側の修理:ギア割れをワイヤーで補強

上フタを外して8mm側のテープ装填部をチェックすると、やっぱりテープの本体を送る 白いギアにクラック、いつものやつですね。この白い樹脂、ホント経年劣化で割れやすいんですよ。

強いバネの力でギアの内側がぱっくり割れていますね。なのでギアが広がって中心軸から偏心しています(特に右上)

この部品にはバネにより常に強い力が掛かっているので割れやすく、かつ荷重がかかるので接着剤での修理では力不足。 前回のWV‑BS2修理で学んだ通り、0.5mmワイヤーで縛ってギアの変形を抑えるのが正解!ということで早速部品を取り外して縛ってみました。

0.5mmのワイヤーでギアが広がらない様に縛ります

ソニーの製品は、ソニータイマーなどという言葉があるせいか、やたら “サービスマンに優しい設計” になっているので、ギアの位置決め穴を頼りに位置を決めて組み直し。 これで8mm側は無事にテープが入るようになりました。

例によって位置決め穴をたよりにギアを組み直します

3. 続いてVHS側:モーター軸ギアのヒビ割れ修理

VHS側もテープが途中までしか入らないので、怪しいのは メカ操作モーターの軸ギア。 分解していくと案の定ヒビ割れが発生していますね。 こちらも同じく 0.3mmワイヤーで適度に(強い力が掛かった時にはスリップする様に)締めて補強

回転軸のギア部分に、見事にヒビが入っていますね

ちなみに0.3mmのワイヤーは、以下のものを使用しています。部品の硬さや用途によっては銅線を使う時もあるのですが、ステンレスの方が基本細くて強度が強いです。

これでテープは入るようになったものの、まだ動作が変。 テープを入れて再生しようとしても一切操作を受け付けず、代わりにテープを「ぺぺっ」と吐き出してしまう…。

4. テープが吐き出される謎のエラーと「エレベーター」の位置ズレ

動作をじっくり観察すると、原因は ピンチローラー部(通称エレベーター)が最初から1Fに居座っていること。 本来はテープ挿入時は2Fで待機し、テープが入ったら1Fに降りてくる仕組み。

写真では既にピンチローラー(エレベーター)が1Fにいます。本当はテープが入っていないので、黄矢印間に隙間がない状態(2Fにいる)状態じゃないと

恐らく過去にテープが入らなくなった状態で無理に押し込んだ結果、 ギア位置がズレて自力で2Fに戻れなくなった模様。

上下軸上側にあるEリングを外し、ギア位置を正しく戻してやると、めでたくエラーは解消(ここは部品の移動量が大きいので円筒カムが切ってあるんですよねぇ。結構凝った設計です)。これでVHS側も正常にテープが再生されるようになりました。やった!

5. まさかの第二ラウンド:電源が突然落ちて戻ってこない

「よし、修理完了!」と暫く電源を入れて数時間動作確認していたら、あれ?突然 電源が落ちて復帰しないという新たな不具合が発生(いつも8mm/VHSともにテープが最後まで再生され、自動的に巻き戻しされるまでは少なくとも動作確認しているので)。 古い家電あるあるの “修理したら次が壊れる”ドミノ故障の始まりです。

実のところ、こういった数十年前の昭和家電って、ある部分を修理するとどこかが次に壊れるって、結構ドミノ倒しの様に故障することって多いんです。恐らく今回は今まで長期間保存されていたものを、数十年後にいきなり連続運転をさせたので、例えば電解コンデンサーの容量抜けなどがあった場合、発熱などでその症状が更に加速するっていう状況なんでしょうね。

6. 電源部の分解と大型電解コンデンサの大量不良

電源ユニットのうち、各種電圧を作り出すキバンは別になってシールドケースに入っているので、ユニットごと取り出して調査。 見た目は問題なさそうなのに、出力電圧(13V・6V・−8V)が全部不安定。

取り出した電源ユニット。中央のシールド部分で各電圧を作り出しています

シールド内の部組を取り外したところ。トランスと電解コンデンサーがメインのユニットです

最初、容量が抜けやすい容量の小さな電解コンデンサーを測定したのですが、特に異常なし。ということで容量の大きい 3300μFの電解コンデンサを測ると、なんと測定限界以下。 もはやコンデンサではなく単なる “抵抗” 状態ですね。 そりゃ電圧出ませんわ…。

容量が測定できないレベルまで抜けきっている・・・

結果、合計6個の電解コンデンサが交換時期だと判断、交換しました。

7. ツェナーダイオードも次々と故障

コンデンサを交換しても13V系がまだ不安定。 更に調べると 13Vツェナーダイオードが短絡状態に。この13V系のツェナーダイオード、前回のWV-BS2でも壊れていたので、電解コンデンサの容量が抜けてくると負荷がかかりやすのかもしれませんね。 さらに−8V系でも別のツェナーが短絡状態なのを発見。回路図がないので、電圧が近い手持ちのツェナーダイオードに置き換えます。

ツェナーダイオード、短絡しとります

完全に ドミノ倒しの典型パターン

8. フルコース修理完了!蘇るWV‑TW1

最終的に 電解コンデンサ6個+ツェナーダイオード2個 を交換し、電源部も完全復活。 メカも電源も直して、ようやくWV‑TW1は正常動作に戻りました。

右側に全交換部品を置いてみました

今回は想定以上に故障が進んでしまうという、古い家電の修理ドミノを経験しました。でも古い家電が蘇る瞬間って、何だか本当に嬉しいんですよね。 「捨てるしかない」を「まだまだ使える」に1台でも多く変えていくのが、Yo工房の大きなモチベーションなんですよ!

※この修理記録はあくまで個人の備忘録です。分解や修理はリスクもあるので、本内容を参考にされる場合は、あくまでも自己責任でお願いします。

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