1973年発売、テン(現デンソーテン)のカーステレオ「SP-443」。
昭和の香りがぷんぷん漂うこの名機を、50年の時を超えて修理してみました。
果たして動くのか、それとも部品取り行きなのか…。そんなワクワクと不安を抱えつつ、今回もYo工房の修理がスタートします。
Contents
- SP-443とは?50年前の昭和レトロ機をチェック
- まずは現状確認:配線はぶった切られて、でも電源は生きてる
- カセットが回らない原因はやっぱり“伝達ゴム”
- 音は出るけど不安定…電解コンデンサ20個総交換
- 回転ムラの原因はモーター?分解清掃で復活
- 今度は右CHが無音…アンプ部のトラブルを追う
- 修理完了!昭和の名機が再び息を吹き返す
- 古い機器修理のコツ:写真を撮りまくる理由
1. SP-443とは?50年前の昭和レトロ機をチェック
今回の修理品は、なんとMDよりさらに前の時代のカーステレオ。
テン(その後、富士通テン、今はデンソーテン)の「SP-443」、通称『テン・ドライビングコンポ バイヨ(Biyo)』。
名前からして昭和感がすごいっ。発売は1973年らしく、もう50年以上前の機械です。
さて、こんな超大ベテランは果たして復活できるのか…。

かなりの昭和レトロ感のSP-443-1です
2. まずは現状確認:配線はぶった切られて、でも電源は生きてる
当時のカーステは今みたいにコネクタ式じゃないので、車から外す時に配線が途中でぶった切られているのがデフォ。
まずはカバーを開けて電源ラインを探し、そのあと音声ラインを同定。
回路がシンプルなので結線はすぐ判明。
電源を入れてみると…おっ、モーター音がするしLEDも点灯。
テープは回らないけど、これは直せそうな予感。

電源はOK。修理への期待感が高まります!
3. カセットが回らない原因はやっぱり“伝達ゴム”
古いカセット機器あるあるですが、動力伝達用のゴムが劣化しているパターン。
このSP-443も例外ではなく、2本のゴムのうち1本はフライホイールに固着、もう1本は伸びきってクセがついた状態。

伝達ゴムは固着及びクセ付き

完全にゴムが劣化しとります
なのでAmazonでOリングタイプと平型の交換用ゴムを購入。これ、値段の割に様々なサイズのゴムが入っているので、大抵合うものが見つかるという優れモノです。
4. 音は出るけど不安定…電解コンデンサ20個総交換
ヘッドは奇麗なので音は出そうですが、どうも回転が安定せず、音がポヨポヨ。
さらにノイズも多め。

ヘッドは比較的良い状態です
こういう時は電解コンデンサ抜けが定番ですね。
50年選手なので、思い切って全交換することに。

結構多くの電解コンデンサが使われているなぁ
数はなんと22個。液漏れは1個だけでしたが、他は内部抵抗上昇やドライアウト状態でした。

これを交換するのに数時間かかります
5. 回転ムラの原因はモーター?分解清掃で復活
コンデンサ交換後、音は良くなったものの回転がまだ安定しない。
モーター制御基板の半固定抵抗を回すと速度は変わるけど、安定しない。
これはモーター本体が怪しい…。
代替品なんてあるわけないので分解清掃。

モーター内部。接触部が汚れてます
ブラシ部がかなり汚れていたので無水アルコールで清掃し、接点復活材を薄ーく塗布。回転軸にも潤滑剤を塗り、これで回転は安定!
6. 今度は右CHが無音…アンプ部のトラブルを追う
動作チェックすると、今度は右チャンネルが完全無音。
ヘッドの結線を左右入れ替えても変化なしなので、アンプ側が怪しい。
本機はプリアンプにTA7108P、メインアンプにAN214Qをパラ使用。

メインアンプです。左右用がそれぞれ搭載されています
ICの回路図がネットに残っているので助かります。
テスターで電圧を追っていくと左右で大きく違う端子が数か所。
ICよりも、コンデンサ交換時のハンダミスの可能性が高い。
拡大してよく見ると…ありました、隣のパターンとショートしている箇所が。
修正後は左右ともバッチリ音が出ました。しかも結構いい音!

キバン構成。結線が単なる配線なので断線注意!
7. 修理完了!昭和の名機が再び息を吹き返す
ということで、今回も無事に修理完了。
50年前の機械がまた元気に音を鳴らしてくれるのは、本当に嬉しい瞬間です。
8. 古い機器修理のコツ:写真を撮りまくる理由
古い機器は、修理中に別の故障が誘発されることも多いです。
配線が金属疲労で折れたり、基板間の線が取れたり…。
なのでYo工房では、作業中に大量の写真を撮るのがルール。
これがあるだけで復旧がめちゃくちゃ楽になります。
皆さんもよろしければ是非実践を!




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