BCLファンの間で “伝説” と語り継がれる SONY ICF-2001D。今回は、受信はできるのに一部の操作ボタンが反応しないというトラブルを修理しました。分解ポイントや腐食部位への対策、ついでの改造まで、実際の作業をカジュアルに紹介します。
Contents
- ICF-2001Dはなぜ “伝説” なのか
- 今回の症状と外観チェック
- 分解して内部を確認
- 操作ボタン基板の腐食修復
- ついでの改造ポイント
- 動作確認と最終調整
- やっぱり電波で聴くラジオは楽しい
1. ICF-2001Dはなぜ “伝説” なのか
ラジオ好きなら一度は名前を聞いたことがあるであろう、超名機 ICF-2001D。
1985年に登場し、同期検波や直感的なチューニングダイヤルの復活など、当時の常識をひっくり返す機能を搭載したポータブルBCLラジオです。
その後のラジオのデザインや思想にも大きな影響を与えていて、現在一般的に販売されているラジオにもデザインが似たものが多く、まさに “伝説” と呼べる一台。
特に同期検波は、最近増えてきた太陽光発電や充電器のノイズがひどい環境で大活躍。LSB/USBのどちらか一方の片側帯を使ってAM信号を再構成するので、ノイズ除去に強いんです。
2. 今回の症状と外観チェック
今回の患者さんは「受信はするけど、前面キーの一部が反応しない」という症状。
外観は比較的キレイですが、スピーカーネット部下に電池の液漏れ跡がありました。
古いラジオあるあるで、電池を入れたまま物入れなどに長期間放置、気づいたら盛大に漏れていたというパターンですね。

左下の操作ボタン(複数)が動作せず
3. 分解して内部を確認
裏蓋は7本のネジで固定されているのでサクッと外します。

プラスネジ7本です
基板はRF系と制御系の2枚構成で、フレキシブルケーブル2本でつながっています。裏蓋を外すとまずはRF系のメイン基板が見えます。
幸い、電解コンデンサは液漏れなし。なので今回は交換せずに進めます。

裏蓋を外した状態
さすがソニー、定番の修理しやすい構造で、AMバーアンテナ(4本)、スピーカー(2本)、LCDのノイズ対策グラウンド線(1本)を外すと、基板ユニットが丸ごと外れます。

メイン基板は奇麗な状態
4. 操作ボタン基板の腐食修復
問題の制御基板をチェックすると、やっぱり電池の電解液がしっかり侵食していました。
ゴムシートを外すとスルーホール周辺まで腐食が進んでいたので、まずは無水エタノールで徹底的に洗浄です。

操作パネル側
その後、極細ワイヤーでスルーホールを修復し、両面基板の導通を確保。
プッシュスイッチはゴムシート側の導電体が基板パターン同士を導通させる仕組みなので、銅シートを小さく切って調整しながら接触を復活させました。

腐食はゴムシートにも。キバン面は念入り洗浄後に修復
5. ついでの改造ポイント
ICF-2001Dは高機能ゆえにかなりの大食いで、単1電池が3本必要。
さらにメモリ保持用に別途単3電池2本も必要なのですが、この個体は単3電池用のツメが折れていて、電池交換するとメモリが全部飛ぶ状態でした。
そこで、 1F 5.5V スーパーキャパシタ をメモリ保持用電池の代わりに並列接続。

スーパーキャパシタ。両面テープで内部に固定です
さらにリチウムイオン電池での使用も考えて、スーパーキャパシタとマイコンにかかる電圧を3V程度に抑えるための 3端子レギュレータ(3V) も追加。

3端子レギュレータ。スルーホール修復跡も見えます
ついでにバックライトもLED化。
純正の薄い緑色を再現するため、白色LEDに緑の拡散キャップをかぶせて、いい感じの色味に仕上がりました。

5mmの砲弾型LEDです
6. 動作確認と最終調整
仮組みして動作チェック。ボタンも問題なく反応し、受信感度も良好。
最後にサービスマニュアルに従って調整を行い、無事復活しました。

感度良好です
7. やっぱり電波で聴くラジオは楽しい
今はインターネットラジオ全盛ですが、アンテナで電波をキャッチして聴くあの感覚はやっぱり特別。
ICF-2001Dはまだまだ現役で楽しめる名機ですね。お持ちの方は大切に!
※この修理記録はあくまで個人の備忘録です。分解や修理は危険もあるので、本内容を参考にされる場合は、あくまでも自己責任でお願いします。


コメント