IC-736をよみがえらせろ!30年選手を本気でレストアしてみた

修理

1990年代の名機・アイコム IC-736。
「電源は入るけどパワーが出ない」「バンドによって送受信できない」──そんな古参リグを、定番トラブルを押さえつつ一気にレストア。
液晶、バックライト、電源、ファイナル、PLLまで、気になるポイントを全部チェックして復活させた記録です。

Contents

  1. IC-736の状態チェックと初期症状
  2. LCDとバックライトのLED化
  3. ファイナルユニットの電解コンデンサ問題
  4. MRF174の生存確認と50W問題の真相
  5. 電源ユニットの電解コンデンサ交換
  6. PLLユニットは交換で対応
  7. 最終調整と復活したIC-736の実力
  8. まとめ

1. IC-736の状態チェックと初期症状

今回の患者さんは、1994〜95年頃に発売されたアイコムの IC-736。
電源は入るものの、

  • 出力が50Wしか出ない
  • バンドによって送受信できない

という、なかなかの重症コンボ。
まずは症状確認から始めると、出力できるバンドはいずれもキレイに50Wで頭打ち。これは逆に怪しい。また不規則で送受信できないバンドがあるも、時間が経つと改善してくる。これはPLLですね。

確かに、ぴたりと50Wですね

2. LCDとバックライトのLED化

裏カバーを開けると、内部は意外とキレイ。

内蔵アンテナチューナーも搭載されています

IC-736でよくある「液晶の文字化け」は、すでにポジタイプに交換済みで一安心。

ただしバックライトは豆球のまま。

珍しい縦型の豆球4個

長寿命化のためにLED化するんだけど、12V駆動なので抵抗が必要。ここでは1kΩを選択。
また指向性が強すぎる砲弾型LEDには拡散キャップをかぶせて、自然な光に仕上げました。

3. ファイナルユニットの電解コンデンサ問題

次は定番の電解コンデンサチェック。
ファイナルユニットを見てみると──

  • C24、C25 が液漏れ
  • 基板の腐食も進行
  • 裏側も広範囲に腐食

という、まさに「あるある」な状態。

表側:派手に液漏れしとります

裏側:電解液はキバンを伝わります


清掃してみるとパターンは生きていたので軽傷扱い。

奇麗になりました


さらに周辺を確認すると C29 が破損、C33 も怪しいのでまとめて交換。

C29は完全な破裂状態

ファイナルユニットの電解コンデンサはこれでリフレッシュ完了。

交換後。もともと35V耐圧のものを、余裕を見て50Vのやつに変更

4. MRF174の生存確認と50W問題の真相

電解コンデンサが直ったところで、MRF174 の生存確認。
左右どちらも問題なし。

右側:生きとります

左側:あれれ?こちらも正常

じゃあなんで50Wしか出ないのか?

調べていくと──
50W/100W切換スイッチが、ジャンパ線で50W固定にされていた というオチ。
ジャンパを外したら、無事に100W復活。

スイッチの位置に関係なく50Wになる様にジャンパ線が飛んでました

5. 電源ユニットの電解コンデンサ交換

続いて電源部。
ホコリはあるものの派手な液漏れはなし。

左側が内蔵電源ユニット

ただし外してみると、やっぱり地味に漏れ始めている。
高圧品を除き、こちらも電解コンデンサを交換してリフレッシュ。

キバンとの接触面に電解液が漏れている

6. PLLユニットは交換で対応

PLLユニットは熱を持つため、経年でハンダ不良が起きやすい部分。
しかも内部はロウで固められていて、部品交換がとにかく大変。
今回は手持ちの別ユニットと交換して対応しました。

ロウを全て外してバンド毎に確認すれば不良個所が分かるのだけど・・・

7. 最終調整と復活したIC-736の実力

サービスマニュアルに従って各部を調整。
結果は──

  • 出力:しっかり100W
  • 受信:SG -130dBm が聞こえる良好感度

良い感じに仕上がりました!

8. まとめ

IC-736は50MHz対応、AC電源内蔵の日本向けモデル。
液晶さえポジタイプに交換されていれば、まだまだ現役で使える名機です。(もうひとつ言えば、TCXOの追加があれば、鬼に金棒!)
お持ちの方はぜひ大切に。

※アマチュア無線の運用には、アマチュア無線技士の資格と免許状が必要です。電波法に則っての運用をお願いします。

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